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エッセイ

【日曜日企画】心と身体がよろこぶ暮らし➊❹

第1シリーズ「四季を楽しむ健康歳時記」

第4話 旬のものを食べるという、昔ながらの贅沢

― 一年中食べられる時代だからこそ、「今」を味わう ―

こんにちは。「トーチ」です。

スーパーへ行けば、季節を問わず、さまざまな野菜や果物が並んでいます。

冬でもトマトがある。

夏でもりんごがある。

一年中、好きなものを好きなときに食べられる。

これは、昔と比べれば、とても便利で豊かな時代です。

けれど、そんな時代だからこそ、ふと思うことがあります。

「旬って、何だろう?」

昔の人にとって、旬は特別な知識ではありませんでした。

春になれば春のもの。

夏になれば夏のもの。

秋になれば秋のもの。

冬になれば冬のもの。

その季節に採れるものを食べる。

それが、ごく自然な暮らしだったからです。

今回は、そんな「旬」に目を向けながら、

「旬のものを食べることは、健康だけでなく、暮らしを豊かにすることなのではないか」

ということを考えてみたいと思います。


「旬」とは、いちばんおいしい時期

「旬」という言葉は知っていても、正確に説明しようとすると難しいかもしれません。

簡単に言えば、

その食材が本来持っているおいしさを楽しみやすい時期。

それが「旬」です。

春の山菜。

夏のトマトやきゅうり。

秋のきのこや栗。

冬の大根や白菜。

そして、季節ごとの魚や果物。

もちろん、現在では栽培技術や流通の発達によって、一年中さまざまな食材を楽しめます。

それは素晴らしいことです。

だから、

「旬ではないものを食べてはいけない」

という話ではありません。

大切なのは、

「今の季節だからこそ味わえるものがある」

と知っておくことです。


昔の人は、食卓から季節を感じていた

今よりも食材の流通が限られていた時代。

人々は、その季節に手に入るものを中心に食べていました。

春になれば、山菜が顔を出す。

夏になれば、野菜や果物が実る。

秋になれば、米や果物、きのこなどの収穫が始まる。

冬になれば、保存しておいた食材や根菜を使う。

つまり、食卓そのものが「季節のカレンダー」だったのです。

今では、カレンダーを見て、

「もう8月か」

「もう11月か」

と季節を確認します。

昔の人は、

「この野菜が出てきたから春だ」

「この魚が出てきたから秋だ」

というように、食べものから季節を感じていたのかもしれません。

これは、とても豊かな感覚だと思います。


「旬」を知ると、買い物が少し楽しくなる

スーパーで買い物をするとき、

「今日は何を買おう?」

と考えることがあります。

そんなとき、旬を意識してみると、選び方が少し変わります。

「今は何がおいしい季節だろう?」

「今日は旬の野菜を一つ買ってみよう」

と考えてみる。

すると、食材選びが単なる買い物ではなくなります。

季節を探すような感覚になります。

春なら新しい野菜。

夏なら水分を多く含む野菜や果物。

秋なら実りのもの。

冬なら温かい料理に合う食材。

毎週の食卓に一つだけでも旬のものを取り入れる。

それだけで、一年を通して食卓に変化が生まれます。


旬の食材は「特別な健康食品」ではない

健康について調べていると、

「○○を食べると健康に良い」

「△△という成分が身体に良い」

という情報を目にすることがあります。

もちろん、食品に含まれる栄養素を知ることは大切です。

しかし、健康を考えるときに、特定の食品だけに頼りすぎる必要はありません。

毎日の食事全体を見る。

いろいろな食品を食べる。

野菜や果物なども取り入れる。

そして、無理なく続ける。

その中で旬のものを楽しむ。

それで十分なのではないでしょうか。

「健康のために食べなければならない」

と考えると、食事が義務になってしまいます。

そうではなく、

「今がおいしいから食べてみよう」

という気持ちから始める。

健康的な食生活は、そんなところから始まってもいいと思います。


「旬」は、食材だけではない

旬という言葉を考えていると、もう一つ面白いことに気づきます。

それは、旬なのは食材だけではないということです。

人間の暮らしにも、「その季節だからできること」があります。

春なら、花を見ながら歩く。

夏なら、朝夕の涼しい時間に外へ出る。

秋なら、紅葉を見に行く。

冬なら、温かい料理を囲む。

季節によって、楽しみ方を変える。

これも「旬を暮らす」ということなのではないでしょうか。

一年中同じことをする必要はありません。

むしろ、季節が変わるたびに楽しみを変える。

そうすると、一年が長く感じられるようになります。


「旬」は、旅とも相性がいい

トーチは旅行会社の仕事を通して、さまざまな地域を訪ねてきました。

旅をすると、季節の違いを強く感じます。

同じ日本でも、地域によって旬の時期が少し違う。

その土地でしか食べられないものがある。

その季節にしか出会えない景色がある。

だから、

「旬を知ること」は、「旅を楽しむこと」にもつながります。

例えば、秋に信州を訪れれば、果物やきのこなど、その土地ならではの秋の味覚に出会えます。

海辺の町を訪れれば、その時期に旬を迎える魚があります。

春には山菜を求めて山の地域へ。

夏には果物の産地へ。

冬には温泉と鍋料理を楽しみに。

「旬のものを食べに行く」という目的だけでも、立派な旅になります。


産地で食べると、なぜおいしく感じるのか

旅行先で食べた料理が、妙に記憶に残っていることはありませんか?

同じような料理を自宅で食べても、

「あのときのほうがおいしかった」

と感じることがあります。

もちろん、料理の技術や食材の鮮度など、さまざまな理由があります。

でも、私はそこに「背景」もあると思っています。

その土地の景色を見た。

その土地の空気を吸った。

生産者の話を聞いた。

市場や直売所を歩いた。

そして、その土地で食べた。

食べものは、味だけではなく、そのときの記憶と一緒に残るものです。

だからこそ、旅先で旬のものを食べることは、とても贅沢な時間になります。


「安いから買う」から「今だから買う」へ

買い物をするとき、価格は大切な判断材料です。

同じような商品なら、安いほうを選びたい。

これは当然のことです。

しかし、もう一つの選び方があります。

「今だから買う」

という選び方です。

今が旬だから。

今しか食べられないから。

この地域で採れたものだから。

この生産者が作ったものだから。

そう考えると、買い物に「理由」が生まれます。

そして、その理由がある商品は、食べるときにも少し大切にしたくなります。

これは、トーチが商品を選ぶときにも大切にしている考え方です。


食べものを大切にすることは、生産者を大切にすること

旬のものを食べるということは、単に自分が季節を楽しむだけではありません。

その食材を作っている人たちの仕事にも目を向けることになります。

例えば、果物。

一年中店頭に並んでいるように見えても、生産者は一年を通して仕事をしています。

剪定をする。

花を管理する。

実を育てる。

収穫する。

選別する。

出荷する。

私たちが食卓で食べるのは、その長い仕事の最後の一瞬です。

旬の時期に、

「今年もおいしくできたな」

と生産者が思えるものを、私たちが食べる。

そこには、作る人と食べる人のつながりがあります。

だからこそ、食材を大切にいただく。

食べ残しを減らす。

おいしい時期を知る。

産地を知る。

それも、生産者への一つの敬意なのだと思います。


店長のひとこと

私自身、旅先で「旬のもの」に出会うと嬉しくなります。

特に果物は、産地で食べると印象が変わります。

「こんなにおいしいのか」

と思うことがあります。

そして、その後に、

「なぜ、この地域でこの果物が作られているんだろう?」

と考える。

すると、気候や土壌、生産者の工夫など、いろいろなことを知りたくなります。

トーチで長野県のドライフルーツを扱っているのも、そうした経験と無関係ではありません。

果物をそのまま販売するだけではなく、

「この土地で育った果物には、こんな背景があります」

ということまでお伝えしたい。

それが、トーチらしい商品紹介だと思っています。


旬を「健康のための義務」にしない

ここは、あえて強調しておきたいところです。

「旬のものを食べなければ健康になれない」

という話ではありません。

旬ではない食材を食べることが悪いわけでもありません。

現代の食生活には、保存技術や流通技術によって得られる便利さがあります。

それを否定する必要はありません。

むしろ便利なものは便利に使えばいい。

そのうえで、

「季節を感じる食事も取り入れてみる」

くらいがちょうどいいのです。

健康は、一つの食品で決まるものではありません。

食事、睡眠、運動、休養、そして日々の生活。

さまざまなものの積み重ねです。

だからこそ、無理なく続けられる方法を選ぶ。

「おいしい」「楽しい」という気持ちを大切にする。

それが長く続く健康習慣につながるのだと思います。


今週の「旬を楽しむ」3つの習慣

難しいことは必要ありません。

① スーパーで「旬」を一つ探す

買い物のとき、

「今が旬なのは何かな?」

と考えてみる。

一品だけで十分です。

② 旬のものを、できるだけシンプルに食べる

焼く。

蒸す。

切る。

そのまま食べる。

素材の味を感じてみる。

③ 食べたときに「季節」を言葉にする

「夏らしいね」

「秋を感じるね」

「冬はこういう料理がいいね」

家族との会話にしてみる。

これだけでも、食卓が少し楽しくなります。


今日の食卓に「季節」を一つ

健康のために何を食べるか。

それを考えることは大切です。

でも、もう一つ、

「今の季節を楽しむには、何を食べよう?」

と考えてみる。

こちらのほうが、食事を楽しみながら続けられるかもしれません。

食事は毎日のことです。

毎日だからこそ、特別なことをしなくてもいい。

旬の果物を一つ。

旬の野菜を一つ。

その土地のものを一つ。

それだけでも十分です。


おわりに

一年中、好きなものが手に入る。

これは、私たちが享受している大きな豊かさです。

でも、その便利さの中で、

「今しか食べられないもの」

「今だからおいしいもの」

を忘れてしまうのは、少しもったいない気もします。

旬とは、単に食材がおいしい時期を意味するだけではありません。

それは、

自然の変化を感じること。

生産者の仕事を知ること。

地域の文化に触れること。

そして、今という時間を楽しむこと。

なのだと思います。

トーチが目指しているのも、そんな暮らしです。

「健康のためだから我慢する」のではなく、

自然の恵みを楽しみながら、結果として健康的な暮らしにつながっていく。

そんな無理のない健康習慣を、これからも皆さまと一緒に探していきたいと思います。

次回は、食べものから少し離れて、

「よく眠ることは、最高の健康習慣」

をテーマにします。

忙しい毎日の中で、つい後回しにしてしまう「睡眠」。

高価な健康食品や特別な方法に頼る前に、まず見直したい「休む」という習慣について考えてみます。

次の日曜日も、どうぞお楽しみに。

トーチ――自然の恵みと、豊かな暮らしをあなたのもとへ。

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